(医)熱田小児科クリニック「ひまわり」スタッフ
RSウイルス感染症は、大人も子どももかかる呼吸器感染症です。
RSウイルスは、一般的には乳幼児の呼吸器感染症の原因ウイルスとして知られていますが、高齢者や基礎疾患のある成人についても、症状が重くなり、肺炎を引き起こすこともあることが報告されています。
症状は、初めは発熱や鼻水や咳などの風邪症状で始まり、通常は数日から1週間くらいでよくなります。ところが、ウイルスが気管支や肺に入り込んでしまうと気管支炎や肺炎といった重い症状を引き起こすことがあるため、注意が必要です。
予防をするには…
飛沫感染対策→
〇風邪をひいているご家族がいたら、家の中でもマスクをしたり、部屋を分けるなどお子さんにうつさないようにしましょう。
〇他の兄弟が咳や鼻水があるときも、赤ちゃんに触ったり、目の前で話しかけたりしないよう気を配りましょう。
接触感染対策→
〇ご両親、ご家族は、流水、石鹸による手洗い、アルコールなどによる手洗衛生を心がけましょう。
〇おもちゃなど、普段お子さんが触るものは、こまめにアルコールなどで消毒しましょう。
ベイフォータス(抗体製剤)について
ベイフォータスは、生後初回のRSウイルス感染流行期を迎えるすべての新生児と乳児のRSウイルス感染症を予防・発症抑制するためのお薬です。このお薬は生後初回のRSウイルス感染流行期に向けて、事前に1回注射します。
ベイフォータスはRSウイルスと闘う抗体をからだに直接注射することで発症を防ぎます。抗体は、ウイルスなどの病原体だけを認識して攻撃をする性質を持ち、それを利用して作られたのが、抗体製剤です。ベイフォータスは抗体の一部に薬の作用を長く保つ構造を付与したことで、通常の抗体よりも効果がより長く続きます。
60歳以上の方、50歳以上で重症化リスクが高いと考えられる方もワクチンによる予防が可能です。